CamScannerは世界で4億人が利用している、手軽に本や資料などをスキャナして保存するアプリです。多くの人が利用しているにも関わらず、実はウイルスに感染すると噂されています。今回は実際にCamScannerにウイルス感染などがあったのか詳しく解説していきます。
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Google play storeから有害なアプリという通知が来る
Google Play Storeには怪しいアプリがないか探して、アンインストールするか聞いてくれる機能「Play プロテクト」というものがあります。
人気のあるアプリや有名なアプリについては基本的にはこのPlayプロテクトが動作することはありませんが、怪しいと判断された場合には以下のようなメッセージが表示されるようです。
有害なアプリをアンインストールしますか?
このアプリは、ユーザーの端末を使用して不正な広告を配信しようとしています。(文言は違う場合もあります)
【アンインストール】
そして、上記のようなメッセージがあの有名なアプリ、CamScannerをインストールしている方に表示されたようです。
しかし、この内容を見て、「こんなに有名なアプリがまさかマルウェアを仕込むはずがない、Google Play StoreのPlayプロテクトの誤動作では?」と思った方も多いのではないでしょうか。
ですが、この状況は誤動作ではなく、実際にCamScannerにマルウェアが仕込まれていたから表示されています。
マルウェアとは?
デバイスなどに対して不具合を起こし、正常に動作させないソフトやコードのことを全てマルウェアという。
マルウェアがアプリに入っている?
CamScannerのレビューが悪くなってきたから調査した
実際にCamScannerにはマルウェアが仕込まれていたのですが、このマルウェアを見つけたのは「アンチウイルスソフト」などを開発しているカスペルキー社でした。
カスペルキー社がCamScannerのマルウェアを見つけたきっかけは以下のようなことが理由となっています。
CamScannerはとても人気なアプリで、Google Play Storeではいつもいいレビューばかり。
しかし、急に悪いレビューが一気に増えてきたので、怪しいと感じアプリを調査。
そうしたところ、マルウェアが仕込まれていることがわかった。
マルウェアが仕込まれていたのはAndroid版5.11.7のバージョン
実際にCamScannerにマルウェアが仕込まれていたのはAndroid無料版の5.11.7バージョンとなっています。
CamScannerは無料版・有料版がありますが、無料版では広告が表示されるようになっており、その広告で収益を得ていました。
しかし、その広告に以下のような問題が発見されたのです。
CamScannerの無料版アプリの広告には「ドロッパー型のトロイの木馬」が仕込まれていた。
このマルウェアは広告に紛れ込み、ユーザーに悪意のあるコードを知らないうちにダウンロードさせて、勝手に有料のCamScannerに登録させるように仕向けるものだったとされています。
ちなみにこのマルウェアはiOSの端末には関係がなかったようです。
実はCamScannerにはこんな過去も...
CamScannerはこのマルウェア事件だけではなく、2015年くらいにもウイルス感染を起こしていました。
XcodeGhostというウイルスがあり、それがCamScannerに感染しているので、Apple社はすぐにApp Storeから削除していました。
マルウェアが見つかったので、Google Play StoreからCamScannerを削除
カスペルキー社がCamScannerにあったマルウェアを見つけ、これをGoogleに報告。
その報告を受け、GoogleはCamScannerをすぐにGoogle Play Storeから削除しました。
最新バージョンでもウイルスの危険性は高い可能性も
Google Play Storeから削除された後、CamScannerはマルウェアを含むコードなどを削除し、再度Googleから承認を受け、アプリの復活を遂げました。
なので、最新バージョンに関してはここまで紹介してきたマルウェアが含まれているという可能性は低いです。
しかし、過去にはiOS端末でのウイルス感染、そして今回の広告にマルウェアを仕込むなど何度もこのようなことがあってはすぐに信用していいとは限りません。
もし、CamScannerを利用する場合にはマルウェアやウイルス感染の危険性を感じ、インストールするかしないかを判断した方がいいでしょう。
実際にGoogle Play Storeのレビューを確認すると、「2度もウイルス関係の問題を起こしているので、信用できない」と考えている方が多いと見受けられました。