2023年1月24日、iOS16の調整版に当たるiOS16.3がリリースされ、アップデートをするかしないかで迷うユーザーが多く確認されました。
この記事ではiOS16.3で大きく変わった機能と、現在確認されている不具合をまとめて解説していきます。
iOS16.3の主な追加機能や概要
iOS16.3で変わったポイントは2つで、「セキュリティの強化」「今までに確認されていた不具合の調整」にスポットが当てられています。
そのため新しい機能の追加はなく、現行で使われていた機能がブラッシュアップされたり、追加要素が登場した程度にとどまっています。
セキュリティの強化
セキュリティの強化されたされたポイントは以下の通りです。
変更された機能
- iCloudの高度のデータ保護…クラウドでデータ漏洩が起きた場合でも情報を守る最高水準のセキュリティ機能が搭載
- Apple ID用のセキュリティキーの強化…Apple IDへのサインイン時に、物理的なセキュリティキーを設定できる
後者の「セキュリティキー強化」についてAppleからは、「この機能のターゲットは著名人、ジャーナリスト、政府関係者などに向けたものだ」と説明しており、一般向けではありませんが、どのiPhoneでも設定することは可能です。
緊急SOSの起動操作の変更
従来の方法では誤って発信してしまうことが多かったため、今回のアップデートを境に緊急SOSの発信方法に手順が増え、仕様が少しだけ変わりました。
発信方法
- 電源ボタンと音量ボタン(+または-)を長押しする
- カウントダウンを開始し、警報が鳴る(このとき、ボタンは押したまま)
- サイドボタンを押したままカウントダウンを待つ
- カウントダウンがゼロになったらサイドボタンから指を外す
カウントダウンと警報を取り入れた緊急SOS発信はiOS16.2から登場していましたが、今回からカウントダウン後にサイドボタンから手を離すという手順が増えているので要注意です。
不具合の修正
iOS16.3では、今までに発生していた細かな不具合の修正も行われています。
修正された不具合
- フリーボードに書いた筆線が共有ボードに表示されなかった
- ロック画面の壁紙が真っ黒になっていた
- iPhone 14 Pro Maxのスリープ解除中に横線が一時的に表示されてしまう
- ホームロック画面のウィジェットにホームAppの状況が正しく表示されない
- Siriがミュージックのリクエストに正しく応えない
- CarPlayのSiriへのリクエストが正しく認識されない
iOS16.3で発生している不具合
iOS16.3にアップデートすると同時に、細かい不具合や表示が勝手に変わってしまう症状が確認されています。
重大な不具合は見られないものの、その反面「以前から続いている不具合が直っていない」という不満の声も多く確認されています。
アプデ自体がなかなかできない
今回のアップデートファイルは1GB前後で比較的軽量なものの、iPhoneの状態や通信環境、容量の問題で「アップデートを開始したままメーターが全く進まない」というケースも多く発生しています。
対処方法
アップデートの進行が極端に遅い場合は、iPhoneの容量・通信環境を見直しましょう。
- iPhoneに十分な容量の空きがあるか確認する。
- 不要なアプリは削除し、データファイルはCloudにアップしたり削除して整頓する。
- 夜間などの通信が混み合いにくい時間帯に再度アプデを試みる。
ボイスオーバーが上手く使えない
iOS16.3にアップデートすると、ボイスオーバーが上手く機能しないことがあります。
主な症状としては音声でのフィードバックに遅延が出てしまい、特にスプリットタップで文字入力する際は使い物にならないほど動きが鈍くなってしまいます。
対処方法
ボイスオーバーの動作が鈍くなったときは、「キャプションパネルをオフ」にすると改善する場合がありますので、試してみましょう。
Twitterの投稿を失敗する
iOSアプデと同時に多発しているのが、Twitterの投稿に関する不具合です。
公式アプリからツイートをしようとすると、以下のエラーメッセージが表示されて上手くツイートが出来ないという症状です。
ツイートの送信に失敗しました
申し訳ありませんがツイートを送信できませんでした。
下書きに保存したあとで再送信しますか?
・下書きに保存
・再投稿
・OK
これに関してはiOSのアップデートが原因か、Twitterのサーバーが不具合を起こしているのか定かではありません。
たまたま同時期にTwitterがエラーを起こしてしまった可能性がありますが、多くのユーザー間で発生している不具合です。
対処方法
ポップアップ画面の「再投稿」をタップすることで上手く投稿出来ることがあります。
ただし、失敗したと思っていたツイートが実は問題なく投稿できていて、同じようなツイートを連投してしまう恐れもあります。
電波環境・接続が悪くなった
アップデートを境に、モバイル通信のアンテナが全く立たなくなるケースも確認されました。
一般的にiOS16.3にすることで電波環境は改善すると言われているので、アプデの内容に通信環境に関する内容が含まれているため、何かしらの事情で悪く作用していることが予想されます。
対処方法
iPhoneの再起動や「機内モード」をオンオフ繰り返すなど、通信環境を一旦初期化することで改善することが多くあります。
新しい絵文字が追加されない
ペールピンクやミントブルーのハートなど、新しい絵文字の追加が噂されていますが、実際には追加がされてません。
「新しい絵文字が追加されるからアプデをする!」とワクワクしていたユーザーが、いざアプデをすると欲しかった絵文字が配信されていなくて落胆する様子が多くみられています。
アプデ要項にも「絵文字追加」は触れられていないので、ガセだったと考えることが自然です。
iPhoneが一切動かなくなってしまう
アップデートを完了すると、iPhoneが一切の操作不能状態に陥ることが稀にあります。
この症状はiOS16がリリースされたときにも確認されており、「充電は出来るが、操作に対して一切応答をしない」という非常に重要な不具合です。
対処方法
一切の操作ができないということは、再起動などの基本的な対処方法も無効になってしまいます。
こうなってくると、iOS不具合修復ソフトなどの外部サービスに頼ることがもっとも安全で一般的です。
バッテリー消費が非常に早い
バッテリー消費が早くなる不具合は、OSアップデート後によくある症状として有名です。
しかし大抵の場合が、アップデートしてしばらくしてiPhone内の動作バランスが安定した頃に、消費速度も安定するという特徴があります。
一週間程度バッテリー消費の速度を観察してみましょう。
Safariのブックマークがぐちゃぐちゃになる
整頓していたはずのSafari内に保存したブックマークの配置が、勝手にランダムになることも確認されました。
一度ランダムにされてしまったブックマークは自動に並び戻ることはなく、再度手動で整頓するしか戻す方法がありません。
ウォレットでカード類が使えなくなった
iOSアップデートを境に、ウォレットに保存しているカード類が無効になる場合があります。
事前に告知されることなく、レジ前で突然「使えない!」と気づくケースもあるので、アップデート後は普段使っているカードが無効化されていないか確認をしましょう。
YouTube PiPを使うと異常に発熱する
YouTubeでピクチャーインピクチャー(PiP)を使用すると、iPhone本体が異常に熱くなる症状も出ています。
これはYouTubeに限らず、大きく通信量を消費する動画視聴やゲーム内でも起こりやすく、iPhoneに強い負荷が掛かっている証拠でもあります。
症状自体は正常な反応ではありますが、アップデート前より発熱を感じた場合は、一度PiPを使うのを止めて本体を休ませましょう。
ロック画面の時計のフォントが勝手に変わる
現在のiPhoneはロック画面の時計フォントを自由に変えられますが、アップデートをきっかけにオーソドックスな太文字のゴシック体のフォントに戻ってしまうことがあります。
再設定で別のフォントに戻すことが出来るので、手動で変更をしましょう。
以前から続いている不具合が直っていない
iOS16以降、大小さまざまな不具合やバグが発生しています。
直っていない主な不具合
- LINEの通知が来ないことがある
- 新着メールを読み込まない
- あんスタ・ツイステ・アズレン・プロセカの不具合対応
- 3点タップの不具合
- 画面ロックをかけても横回転する …他
重い不具合はありませんが、ソーシャルゲームに関する表示の不具合は重大で、「直らないとアプデできない」と困っているプレイヤーも多発しています。
しかしこれはiOS側の問題というより、アプリサービス運営側の修正が追い付いていないことが最大の問題であり、不満を募らせています。
iOS16.3の安定版なので、比較的バグは少なめ
前述通り、iOS16.3の主なアップデート内容は「セキュリティ強化」と「不具合の修正」がメインです。
そのため、従来の大型アップデートと異なり、バグや不具合の報告や発生は比較的少ないとみられます。
セキュリティ強化があるのでアップデート推奨
ソーシャルゲームで発生している重大な不具合を懸念してアップデートできない場合は仕方ない節はありますが、それ以外の利用者は出来るだけiOS16.3へアップデートすることが推奨されています。
特に今回はセキュリティ面の強化に注力されているので、安定的かつ安全にiPhoneを使いたいなら出来るだけ早めにアップデートをするようにしましょう。
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