iPhoneでウェブサイトをググっていると、突然「ウイルスに感染している」というような内容のポップアップが表示され、セキュリティアップデートを行わせるような警告文が表示されることがあります。
この記事では、警告文がどういったものなのかの解説と、表示された際の対処法をご紹介します。
Contents
(1)セキュリティアップデートが必要ですという表示ついて
ポップアップに表示された文章には、セキュリティアップデートが必要というタイトルが表示されています。
また、続きの文章では「iPhoneをハッカーから守るために、アプリをダウンロードして、7日間の無料トライアル開始してください」という文章が続きます。
しかし、iPhoneのアップデートにはアプリのインストールは不要で、下記の手順からのみアップデートが可能です。
1.ホーム画面から歯車マークの「設定」をタップしましょう。
2.次に下にスクロールしていき、「一般」をタップします。
3.最後に「ソフトウェアアップデート」をタップすれば手続きに進めます。
セキュリティアップデートについて
IOSのセキュリティアップデートに関しては、上記の方法でしかアップデートは出来ず、またアップデートする際にアプリをダウンロードしたり、7日間のトライアル期間などは設けてはいません。
一見Appleからの警告文のようにも見えますが、iPhoneには「ハッキングの危険性がある」等の告知をする機能も元々備わっていません。
セキュリティ警告は全て嘘
結論から言うと、iPhoneでWebサイトの閲覧をしていて、ウイルスに感染する可能性は極めて低いため、あまり心配する必要はありません。
ウイルスの感染しているパソコンに接続していたり、怪しいサイトにログインしてアプリをダウンロードしなければ、ウイルスが感染するルートもそもそも存在しません。
つまり警告文が表示されている時点では、セキュリティーに問題は無い可能性が非常に高いです。
ウイルス感染やセキュリティーに不具合がある等のポップアップが表示された場合でも、以下の理由より偽も警告文だという事を理解して冷静に対応しましょう。
そもそもウイルスを検知する機能が無い
警告ポップアップが嘘であるという最大の理由に、「IOSやAndroid自体にウイルスが検知できる機能が無い」事が挙げられます。
上の画像にもあるセキュリティーアップデートも同様に、ハッキングの脅威つまりウイルス感染の可能性があるとの内容が表示されています。
しかし、通常のIOSやAndroidには、仮にウイルスが侵入した場合でも検知すること出来ないため、このようなポップアップ自体を表示できません。
特にIOSにもウイルバスターやノートンといった、セキュリティーソフトも多くありますが、このような対策をしていた場合でも、スマホがウイルス感染した場合に検知する事は出来ません。
Androidの場合は、セキュリティーソフトよりウイルスの検知が可能です。
IOSはセキュリティが強固
「なぜIOSではウイルスの検知が出来ないのか」という疑問が多く聞かれるのですが、理由は簡単で「IOSのセキュリティが強固だから」という事です。
一見すると、ウイルススキャンが出来ないOSはセキュリティーが甘く矛盾しているように感じるかもしれませんが、IOSではウイルススキャンが出来ない事こそが最大のセキュリティーになっているのです。
現在IOSのプログラミング内容に関しては、Appleが非公開にしているため、完全にブラックボックス状態となっています。
プログラミングの中身が分かっていないと、そのプログラミングに対する悪用ウイルスを作ることが出来ません。
そしてプログラミング内容が公開されていないので、システムに関するセキュリティーソフトを開発することが出来ないのです。
以上の理由によりAppでは、ウイルス対策に関するアプリも許可されていません。
偽の警告文が表示される原因
こういった警告文は非常に流行しているのは、ウェブサイト上で表示される広告を配信する仕組みが原因となっています。
ウェブサイトを閲覧する際に、ブラウザのAIが閲覧者の履歴から興味があると思われる広告を選別して配信しています。
この表示される広告の中には、スパムのような広告やウイルス発生を知らせる不正な広告が紛れ込んでいて、この不正な広告が選定されると自動的に偽のポップアップが表示される仕組みになっているのです。
一見普通に見える広告の中に、このような悪質な広告が混ざっていて、尚且つポップアップも間接的に飛ばされる仕組みになっているので、発生前からの防止がしにくいのが現状です。
もちろんウェブサイト自体に問題があるものも存在しますが、広告を表示させる仕組み自体に問題があるため、不正な広告やポップアップが表示される問題に関しては完全に排除できないようです。
偽警告の目的
なぜこのような偽物のポップアップを表示するのかというと、ウイルス対策をさせる目的ではなく、偽ポップアップが指定したアプリをダウンロードさせることが目的の事が多いようです。
いきなり警告音や、ウイルス感染またはセキュリティーが脆弱で危険だと告知する事で、何も知らないユーザーを焦らせて冷静な判断が出来無くさせます。
それにより、偽の「セキュリティー対策アプリ」等をダウンロードさせることで、収益を得ようとしていたり、ウイルス感染したアプリをインストールさせる手法が流行しています。
基本的には、APP storeやPlayストアからのみアプリをインストールすればウイルスの危険性はありません。
偽物の警告文の中には、利用している端末の機種名を的確に名指してウイルス感染を告知するものもあります。(iPhone XやXperia等)
しかし、ほとんどのWebサイトでは利用者がどのような環境からアクセスしているのか等の情報は取得可能なので、端末の機種名も分かります。
ポップアップ自体が偽物の可能性が高いことさえ理解し、焦ってアプリをインストールするのはやめましょう。
国内でのウイルス検出はほとんど無い
偽のポップアップを使いアップデートからアプリをダウンロードさせようとする広告等、iPhoneに対するウイルスは世界に存在はするものの、国内での感染例はほとんどありません。
PC等やスマホのセキュリティソフトを開発しているノートンでさえも、「日本での感染事例は現時点でほとんど無い」と公言しています。
セキュリティ警告文が出た際の対処法
ここまでは、セキュリティーアップデートを勧めるポップアップは偽物で、広告収益を得たりウイルス感染させるための手段だという事を解説しました。
ではiPhoneでこのようなスパムポップアップが表示された場合は、どのような対処すれば良いのかを解説していきます。
基本的には全て無視する
iPhoneでセキュリティーアップデート、またはウイルス検知などのポップアップに関しては全て無視してページを閉じてください。
広告の表示がしつこい場合も、まずは無視してページを閉じましょう。
勧められたアプリのインストールは絶対にせず、緊急連絡先などが載っていることもありますがかけないようにしてください。
少し内容が気になってページを読み進んでしまったりすると、無駄に被害に遭う可能性もあります。
怪しいと思ったら、全てのページを閉じましょう。
アプリのダウンロードをした場合は削除する
仮に焦ってしまい、指定されたアプリをダウンロードさせられた場合は、すぐにアンインストールしましょう。
広告収入自体が目的の場合、ダウンロードしたアプリには問題が無い可能性もありますが、悪質な広告を経由したアプリが安全である保証はありません。
アプリによってはウイルスに感染していると、感染したスマホの個人情報を抜き取ったり、遠隔操作でカメラを起動したりする事も可能なので、危険性のあるアプリを残しておくメリットはありません。
再起動が自動で頻繁に行われたり、バッテリー消費量が異常になったりすると、ウイルスに感染している可能性もあります。
Androidを利用している場合はスキャンも可能
IOSでは、プログラミングがブラックボックスになっており、セキュリティ対策ソフトが無いためウイルスの検知が出来ません。
しかし、Androidではウイルスバスターやノートンといった大手のセキュリティアプリから、ウイルスに感染しているかどうかスキャンすることが出来ます。
もし、アプリをインストールしてからスマホに異常が出た場合は以下のポイントをチェックしてみましょう。
複数心当たりがある場合は、ウイルス感染の可能性があります。
ポイント
スマホがウイルス感染した場合に見られる特徴
・動作が重たくなった
・操作をしていないのに電源が何度も付いたり消えたりする
・心当たりがないのにデータ通信量が増える
・バッテリーの消耗が著しく増える
・アプリが勝手に起動する
有料アプリをインストールしてしまった場合
iPhoneを利用していて、偽のポップアップに騙され有料のアプリ購入してしまった場合、払い戻しを受けることが出来ます。
どんなケースでも払い戻しを受けることが出来るわけではありませんが、正当な理由であれば申請は通りやすくなります。
「Safari」からApple 返金と検索すると上の画像のページに進むことが出来ます。
そして、一番上のreportaproblem.apple.comにアクセスすれば上のようなのApple ID入力画面が出てくるので入力しましょう。
入力すればそのまま窓口で相談が可能なので、iPhoneで表示される偽のポップアップ表示に騙されて有料アプリをダウンロードしてしまった件について、出来るだけ詳しく状況を説明しましょう。
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