人気画像加工アプリ「Meitu(メイツ)」に新たにAIイラスト作成の機能が追加されました。
しかし、公式から公開されている規約の内容が、利用者にとって非常に不利益に当たるとして、多数のユーザーから注意喚起が行われています。
Meituを使って作った画像が勝手に使い回しされる恐れなど、その危険性を詳しく解説していきます。
Contents
Meituに自分が作成した画像が使い回される危険性の概要
Meituは2019年にも画期的なアプリとして一躍注目を浴びたスマートフォン用画像加工アプリケーションで、当時も個人情報や位置情報の抜き取りが懸念されていました。
そして2022年12月、新たな機能に「アップロードした画像を基に、AIが自動で美しいイラストを生成する機能」が実装されました。
Meituで作られた画像がSNS上で沢山アップされて盛り上がった一方、「生成したイラスト」が投稿者以外の人に使い回される可能性があると、物議を寄せています。
Meituを使って作れる画像の種類
Meituはもともと画像加工アプリとして人気を集めていたため、作成できる画像はイラスト以外にもさまざまあります。
機能一覧
- ARカメラでの撮影
- 自動補正カメラ(ビューティーショット)
- コラージュ作成
- 画像・動画加工や補正
- 画像人物のイラスト化
作成した画像に関するMeitu上の注意すべき規約内容とは
Meituで作った画像やイラスの権利問題やトラブルの可能性が警告されたのは、公式が提示している規約内容の危うさや不透明さが大きく関係しています。
「Meituを利用する=以下の規約に承諾した」として捉えられるため、実質、作成した画像の権利が全てMeituに移ると考えましょう。
規約の問題概要
- ユーザーが生成したイラストの著作権はMeituが保有する
- 著作権所有がMeituなので、自由に投稿・使用・使い回しができる
- 勝手に使われたイラストが原因でトラブルになっても、Meituは責任を負わない
- 元画像や作成したイラストや画像を削除しても、Meitu側には残る可能性が高い
作成した画像はMeituが著作権を持つ
ユーザーが所有する画像からMeituを介して加工された画像は、世界的・永続的にロイヤルフリーの素材としてMeituに付与することになります。
つまり画像の著作権・知的財産権のすべてがMeituに渡るということを指し、該当の画像をどのように利用するかはMeituに委ねられることになります。
さらにその権利は永久的なものであり、現在流通しているメディアやフォーマット以外に、今後開発されるかもしれない新たなメディアやフォーマットにも適応されるという一文も見られます。
本来、ツールやアプリで画像を加工したら、画像の著作権がツールのリリース元に譲渡されるということは普通ではありません。
画像が勝手に使い回されてトラブルが起きても責任が問えない
加工した元画像が無断で使われてしまった場合、予期せぬトラブルに発展する可能性が十分に考えられます。
そもそも規約上では「Meituにアップロードする画像は、第三者が権利を保有していないもの」とされています。
これは、他者が権利を保有する画像を加工し、Meituが勝手に使用して著作権問題に発展した場合、Meitu側は「第三者が権利を保有していない画像を使用するように規約に書いあった」として責任を負わず、著作権侵害の罪が加工したユーザーに飛び火する可能性を示唆しています。
画像を削除しても、コピーが残る可能性
Meituで作成した画像は、ユーザーの意思で自由に削除することができます。
しかし生成したコンテンツのコピーが削除後もMeituに残る可能性があり、さらには削除したはずの画像のバックアップコピーが一定期間残る場合があると記されています。
この「残る期間」がどの程度かは明記されておらず、その間も悪用される可能性が捨てきれません。
自分が作成した画像が使い回されたときに想定されるトラブル例
生成物の著作権や知的財産権がMeituに発生することで、様々なトラブルが想定されます。
たとえば
個人使用目的で、A社が著作権を所有する画像をMeituにアップロードして加工をしました。
加工したユーザーは自身のスマホのロック画面に使用するだけに留まりましたが、該当の画像がMeituによりインターネット上に発信され、金銭的利益を生んでしまいました。
それを見たA社がMeituに問い合わせたところ、「生成した画像の権利は自分たちにあり、加工元の画像はユーザーから“自身が著作権”を持つコンテンツとして付与されているため責任はない」と返答してしまいました。
A社は、加工したユーザーに対して、著作権侵害を訴えることにしました。
以上は極端な例ではありますが、規約上では可能性が絶対に無いとは言い切れません。
それほど、Meituの規約はユーザーに対して不利な内容となっています。
Meituは危険、使わない方が良い言われる理由
以前より問題視されていたMeituですが、最大の懸念である安全性についてはより懸念が増したと言わざるを得ません。
今回のAIイラスト生成機能の問題点と個人情報管理の安全性について、規約や過去の動向を踏まえて詳しく解説していきます。
生成した画像やイラストを勝手に使われても文句が言えない
複雑でわかりにくく書かれた規約ですが、「ユーザーが生成した画像の著作権・知的財産権はMeituに付与する」という一文で危うさが伝わるかと思います。
つまり画像を加工したあなたが何もしなくても、勝手に画像がリポストされたり、拡散することを止めることが出来ないということです。
それに対して「規約を承知した」と扱われるため、勝手な利用の責任を問うことも出来ません。
使い回された画像やイラストがトラブルの原因になる
元画像の著作権や肖像権が他者にある場合、本人の目に留まることで問題に発展する可能性があります。
また、生成された画像そのものが独り歩きして、何らかのトラブルを起こすこともあるかもしれません。
自分が知らないところで自分が作った物が勝手に広がるというのは、予期せぬ事態を招いたり、制御できない恐ろしさがあることを理解しておきましょう。
個人情報や位置情報などのデータを抜き取られる恐れがある
以前からMeituで問題視されているのが個人情報や位置情報の収集です。
実際、AppStore内では「個人の識別はされていない」と書かれているものの、収集される可能性があるものとして画像加工に全く関係のない情報が明記されています。
疑惑がある収集内容
- 位置情報
- 通話発信情報
- スマホメモリ内のデータ読み取り・変更・削除
- IMEI番号へのアクセス権の請求
- 財務情報
- 連絡先情報
- スマホのステータス
- ユーザーコンテンツ
- 使用状況のデータ など
個人情報収集に関して明確な理由を発表していない
以上のように、画像加工に関係ない個人情報の収集を明記しているにもかかわらず、その情報をどのように利用するかをはっきりと発表していない点にも問題があります。
Meituと同じ中国製のアプリは過去に何度も不祥事があったため、やや疑心暗鬼になっているところもありますが、大切な情報を開示する理由がはっきりと書かれていない点がさらに不安を煽っているともいえます。
パソコンから使用するとGoogleアカウントへのログインが求められることがある
通常、Meituはスマートフォン用アプリですが、エミュレーターを使うことでパソコンでも疑似的に機能を利用することができます。
しかしエミュレーターを使う条件やシーンによって、Meituを使おうとするとGoogleアカウントへのログインを求められるケースが確認されています。
もちろんMeituとGoogleは何の関係もありません。
安易にログインをしてしまうとアカウント情報を盗まれる可能性があります。
Meituは使っても安心な加工AIアプリかどうか
Meituを実際に使って具体的な被害を受けたというユーザーはいない一方、利用していた時期に「中国から謎の大量の着信があった」というユーザーも見受けられました。
因果関係は不明なものの、Meituを使うかどうかは本人の判断にゆだねられています。
安全面を考慮すると、使わない方が無難
スマートフォンを持つ以上、自分たちが知らないところで個人情報は漏れ出ているのが現状です。
とはいえ、いざというときにユーザーとリリース元の権利を守る「規約」で、一方的に不利になる内容を明記してみたり、ダウンロードすることでアプリに不必要な情報まで収集することを容認することは決して得策ではありません。
Meituは確かに非常にクオリティが高い、素晴らしいアプリです。
しかし「安全性」を求めるとなると、使わない方が無難であると言わざるを得ない条件が揃っているサービスです。
ダウンロードする際は、自己責任で利用しましょう。
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