テキスト生成人工知能モデルの「ChatGPT」が注目を集めている一方で、レポートに使用する学生が増えるのではないかという懸念が生じています。
今回の記事では、ChatGPTはレポートに使えるのかについて解説していきます。
Contents
ChatGPTはレポートに使えるのか
ChatGPTは質問をすると、学習に基づいて生成されたテキストを返してくれます。
質問できるジャンルの幅がかなり広く、学術的な質問をした場合でも回答をしてくれます。
そのためレポートを出す側からは、レポートにChatGPTの回答結果を利用するユーザーが増えるのではないかと懸念が生じています。
結果をコピペでそのまま使うのはNG
ChatGPTの回答はレポートで使えるレベルのものもありますが、ChatGPTの回答をそのままレポートに使用することはおすすめしません。
具体的な理由に関しては次から詳しく紹介しますが、結果をコピペすると答えが間違っているケースや、内容に関して詳しく相手から聞かれた時にバレてしまうリスクがあるためです。
答えが間違っている時がある
ChatGPTでの質問に対する回答は、比較的正しい内容が多く返ってきます。
一方で中にも間違った回答がくることもあり、100%正解を貰えるというわけではありません。
例えばレポートとして、「兵庫県の魅力について、簡潔に500文字におさまるように自由に記述してください。」というレポートがあったとします。
上記の内容をChatGPTで質問したところ、以下のような回答が返ってきました。
兵庫県は、自然や食文化、歴史や文化、そしてイベントなど多彩な魅力を持った地域です。日本百景にも選ばれた姫路城や、世界遺産に登録された赤とんぼの里など、数多くの自然景観があります。日本酒の銘柄数が日本一であり、神戸牛や松坂牛など、高級和牛の産地としても有名です。また、姫路城をはじめ、多くの城跡や神社仏閣があり、西洋文化の影響を受けた異人館や公園もあります。さらに、春には桜まつり、夏にはルミナリエ、秋にはマラソンなど、四季折々に多彩なイベントも開催されます。兵庫県は、自然や文化、そして食文化が織りなす魅力的な地域であり、多くの人々が訪れる魅力的な観光スポットです。
合っているところもありますが、部分的な間違いもちらほらあります。
夏のイベントとして紹介されている神戸ルミナリエは冬に開催されるものです。
また松坂牛は三重県のブランド牛です。
別の例として、「和歌山県の魅力について、簡潔に500文字におさまるように自由に記述してください。」というレポートがあったとします。
上記の内容をChatGPTで質問したところ、以下のような回答が返ってきました。
和歌山県は、自然景観や歴史的・文化的な観光スポットが多数あり、観光客にとって魅力的な地域です。南紀白浜や紀伊山地などの自然景観、和歌山城や高野山などの歴史的・文化的な観光スポット、梅干しや梅酒、あぶり焼きなどの美味しい食文化などがあります。さらに、パワースポットや霊場も多く、様々な人々に楽しめる観光スポットが豊富にあります。
基本的には合っていますが、あぶり焼きは何のというところまでが指定されていませんし、どの県にもあるものです。
そのため和歌山県の有名な食文化と言われても、いまいちピンときません。
上記の2つの例のように、一部内容に関しては合っている部分がありますが、このままレポートを出してしまうと詳細を確認しないまま作成したと相手にバレてしまいます。
その場合間違った回答でのレポートの結果を出すことに繋がってしまうため、内容に関しては必ずチェックする必要があります。
日本語がおかしい場合もある
ChatGPTは日本語に対応していますが、テキスト中には日本語としておかしい箇所もあります。
そのためそのままコピペで提出してしまった場合、誤字脱字が多いレポートや、実際に自分は意味を理解していない言葉を使ったレポートを提出してしまうことに繋がります。
内容についての意見が回答ができない
もしChatGPTの回答をそのままレポートに記載して提出する場合、内容に関して質問されてしまうと回答できない可能性があることもリスクの1つです。
仮にChatGPTの回答内容を全て理解しているのであれば問題ありませんが、内容を確認せずに提出し、内容に関して自分の意見を述べることができないと、コピペがバレてしまうリスクがあります。
内容に注意
また授業で触れていない範囲に関しての記述などがあると、自身で作成したレポートではないのではないかと疑われてしまう原因にもなります。
教員側も対策のレポート課題を出してくる可能性
ChatGPTがリリースされてからかなり話題になったこともあり、レポート課題を出す教員側も対策のレポートを出してくる可能性があります。
ChatGPTを利用すること前提の課題を出すことを検討している方もいるため、今後様々な教員がChatGPT対策のレポートを出してくることが予測できます。
バレた場合のデメリットが大きい
もしChatGPTを利用して生成した答えでレポートを出した場合、バレた場合のデメリットが大きいというのもおすすめできない理由です。
先ほどまででご紹介した日本語のおかしさなど、コピペを疑われるような内容を提出してしまった場合、最悪落第のリスクもあります。
レポートを提出するまでの効率は一見上がっているように見えますが、提出後のデメリットも大きいことから、ChatGPTの回答をレポートで出すことはおすすめできません。
バレるのかについて
ChatGPTの回答でレポートを生成した場合バレるのかについては、一見何も問題がない文章の場合はバレない可能性があります。
一方でレポートを受け取る側も対策を考えているかもしれませんし、対策ツールなども現在開発されている途中です。
またAIに対してAIで作成した文章かを質問した場合、何%一致しているかを答えてくれるため、そういった対策をされた場合にはバレてしまう可能性が高いです。
将来的にもずっとバレないという保証はないため、ChatGPTでのレポート作成はおすすめできません。
不正と断定できない問題も
対策ツールを使った場合も、作成者からの自白がない限りは不正だと言い切れないという点もあります。
使用したか分かるツールも?
現在アメリカの企業である「Turnitin」では、AIで作成されたテキストを検出するサービスの開発を行っています。
Turnitinは不正行為を防止するためのツール開発を行っており、提出したレポートの内容がChatGPTで作成されたものかを判別するサービスの作成を進めています。
こちらは2023年にリリース見込みのため、スケジュール通り進めば2023年中にはChatGPTで作成された文章を使用したかがバレてしまうようになります。
レポートでChatGPTを活用したい場合のポイント
ChatGPTでの回答をそのままレポートで使用することはおすすめできませんが、レポート作成のヒントとして活用することはできます。
レポート作成にChatGPTを活用したい場合には、次からご紹介するポイントなどを意識してみてください。
骨子として作成する
文章全体ではなく、あくまで骨子として利用するのであればChatGPTを活用してみることもおすすめです。
例えばテーマに対してある程度自分なりに回答はあるものの、文章の構成に悩む場合などに、ChatGPTの回答を参考にしてみるというものです。
あくまで参考程度に留める
どうしてもテーマに対する回答が出ない場合には、ChatGPTでの回答をいくつかチェックしてみて参考にするという活用方法もあります。
例えば自由記述型のレポートなどの場合、どうしても答えが出ないというケースもあります。
その場合は他の答えに触れて自分の答えが見つかる場合もあるので、あくまで参考としてChatGPTの答えを見てみるという活用方法です。
結果の内容があっているか調べてみる
ChatGPTでレポートの課題に関して質問した場合、回答が合っているかを確認するのも理解を深める上で重要なポイントです。
調査を進めていく上で自分の言葉でレポートを書きやすくなる可能性もあるため、参考の1つとして回答結果を調べてみることもおすすめです。
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