最近+がついた知らない電話番号から着信があるユーザーが急増しています。この+がついた電話番号、海外からかけられている詐欺電話の可能性が高いです。
今回は海外から電話がかかってくる際の詳細な情報・対処法について解説していきます。
海外から電話がかかってくる詐欺とは
国際電話詐欺が急増しており、「+のついた見知らぬ番号から電話がきた」という方がたくさんいます。
「+」がついた電話番号の着信は特定の国からだけでなく、複数の国際番号からかかってきます。
ポイント
日本からの着信は表示された番号に「+」がついていないのが普通です。しかし、海外からの電話は必ず「+」がついているのが特徴です。
ちなみに日本の国際通話番号は+81から始まっています。
どんな内容の電話がかかってくるの?
実際に「+」がついた海外からの電話に出てしまうと外国語の音声が流れます。
「中国大使館に重要な手紙が届いています。すぐに連絡をください。」
「中国大使館からのおしらせです。あなた宛ての荷物が1つありますので、1を押して詳しく聞いてください」
「他人があなたのパスポートを持っているのが上海国際空港で見つかって、このままだと入出国ができなくなるので、上海の警察に相談してください。」
上記以外にも様々な内容で音声が流れるようになっています。
※ただし、音声が流れず無言通話の場合もあります。
非通知のケースも!
いきなり+の海外番号から電話がかかってくる場合もありますが、最初に非通知がかかってくるケースもあります。
例えば、まず初めに非通知がかかってきてその電話に出ると中国語で自動音声が流れます。
中国語なので訳が分からずに、すぐに切ると再度電話がかかってきます。その際には非通知ではなく「+」がついた国際番号で電話がかかってくる場合もあります。
電話に出てしまうとどうなる?
海外からの電話に出ただけで、すぐにお金を騙し取られるという可能性は低いですが、海外と電話が繋がったことにより着信料が発生します。
高額な料金ではないですが、長時間繋げてしまうとかなりの着信料になる可能性もあります。
契約している通信サービス会社にもよりますが、ドコモ契約で韓国からの電話を出た場合には1分70円の料金が発生します。
また、電話に出ると中国語の自動音声が流れるようになっています。
海外からの電話には絶対に出ないのが得策ですが、もし出てしまったという場合は何も伝えずにすぐに電話を切るようにしましょう。
1回出てしまうと何回もかかってくる
海外からの電話を一度でも出てしまうと、詐欺のカモになってしまう可能性があります。
「1回出たから、もう1回かけても電話に出てくれるだろう」と詐欺グループのシステムが反応して1日に何回も電話をかけてくるケースもあります。
電話番号の種類や国
海外から電話がかかってくる詐欺では、特定の海外番号ではなく複数の国の番号から着信があります。実際に着信があった海外の番号/国について以下にまとめています。
電話番号 | 国 |
+1 | アメリカ |
+226 | ブルキナファソ |
+86 | 中国 |
+699 | 東ティモール |
+671 | グアム |
+46 | スウェーデン |
+62 | インドネシア |
+247 | アセンション島 |
+674 | ナウル |
+236 | 中央アフリカ |
+685 | サモア |
+678 | バヌアツ |
+675 | パプアニューギニア |
+211 | 南スーダン |
+960 | モルディブ |
+592 | ガイアナ |
+509 | ハイチ |
+381 | セルビア |
+676 | トンガ |
+256 | ウガンダ |
+93 | アフガニスタン |
+33 | フランス |
+242 | コンゴ共和国 |
+692 | マーシャル諸島 |
+686 | キリバス |
+597 | スリナム |
上記以外にも国が未割当の番号でかかってくることもあります。ドコモでは注意した方がいい海外の電話番号を2016年から載せていますので、他の国番号については以下の公式サイトを参考にしてください。
特に被害の多い海外の電話番号
現在は、中国(+86)やアメリカ(+1)から電話がかかってくることが多いです。
電話がかかってくる理由・原因
ここからは海外から電話がかかってくる理由について解説します。
無作為にたまたまかかってきた
電話がかかってくる理由として、無作為に詐欺の電話をかけてたまたま、あなたのスマホに電話が来た可能性が考えられます。
この場合、電話に出てしまうと存在する電話番号だと認識されてしまい、その後も詐欺の国際電話がかかってくる可能性もあります。
ネットを通し電話番号が流出
ネット、SNSを通してあなたの電話番号が流出してその電話番号が詐欺グループに渡ってしまった可能性があります。
ここ最近ではSNSの普及が多くなり、本人確認として電話番号を入力することも多いです。Twitterやインスタなど有名なSNSでもサーバー攻撃をされて個人情報が流出する可能性もあります。
実際に過去にはインスタもインフルエンサーの個人情報が流出したというニュースもありますし、有名な大手サイトでも個人情報が流出した事件も複数上がっています。
このように、安心して利用していたサイトやSNSからいつの間にか詐欺グループにあなたの電話番号が渡っていてもおかしくありません。
怪しいアプリで電話番号認証をした
怪しいアプリに本人確認として電話番号認証をした場合、詐欺グループに電話番号が渡ってしまう可能性もあります。
iPhoneやAndroidでは様々なアプリをインストールすることができますが、そのインストールしたアプリが怪しいアプリで、電話番号認証をしてしまい情報流出に繋がる危険性もあるでしょう。
アプリで電話番号認証する際にはこのアプリは本当に大丈夫なのか、口コミなども確認して登録するように注意してください。
自分・家族のアドレス帳が流出
自分や家族のスマホがウイルスに感染して、電話番号が流出する可能性もあります。
自分のスマホがウイルスに感染していなくても、家族や友人などあなたの電話番号を知っている人のスマホがウイルスに感染して、詐欺グループに電話番号が渡ってしまう場合もあり得ます。
個人情報を売買された
どこかのサイトに入力・書き込みした個人情報が詐欺グループにより売買されている可能性も考えられます。
実際に個人情報は高値で売られることもあり、クレジットカードの情報などは5,000円程度で取引されています。
その他にもTwitterが約180円、インスタが約140円と価格は高くないですが、多くの人数の個人情報を売買すればかなりの利益になるでしょう。
このように、個人情報を利用して稼いでいる人物もいるので、そこからあなたの電話番号が流出して詐欺グループに渡ったと考えられます。
日本に住んでいる在日中国人を狙っている
今回の海外から電話がかかってくる詐欺は、日本に住んでいる在日中国人を狙った犯行に違いないとされています。
実際に日本に住んでいる在日の中国人は2019年末で約81万人と194国中1位です。その人数の多さから日本に多くの国際電話がかかってきている可能性が高いです。
在日中国人を狙い、無作為に電話をかけてきているので在日の中国人ではない方にも電話がかかってきている状況なのでしょう。
詐欺の仕組み
詐欺の仕組みは以下の通りです。
①:電話に出ると「荷物が届いている」という自動音声が流れる(中国語で)
②:荷物の受け取りをする場合は1とガイダンスが流れる
③:電話番号を入力する
④:入力した電話番号に詐欺グループから電話がくる
⑤:荷物の受け取りをどうするかの話し合いをされる
⑥:税金・手数料を要求される
⑦:実際には荷物がなく、金銭だけ騙し取られる
金銭を要求してくる詐欺電話ですが、実際は全て中国語なので日本人は詐欺に引っかかりにくいでしょう。
※中国語がわかる日本人の方であれば引っかかってしまう可能性もあるので注意が必要になってきます。
その他の詐欺の仕組み
先ほど紹介した、詐欺の仕組みの他にもいくつかの詐欺の仕組みが存在します。
海外の電話会社と詐欺グループが結託している
海外から電話がかかってくる詐欺には、上の画像のような仕組みの詐欺もあります。
この詐欺の目的は長時間通話をさせて通話料金を搾取するのが目的です。搾取した通話料は結託している海外の電話会社が詐欺グループにキックバックしています。詐欺グループに料金を渡さないためにも、もし海外から怪しい電話がかかってきた場合はすぐに切るようにしましょう。
利用チャンネルに登録されたとして料金を請求される
海外から電話があったので、かけ直すと「有料チャンネルを利用したので料金を払ってください」と料金を請求される詐欺もあります。
身に覚えのない料金を請求してくる電話はすぐに切り、その電話番号はブロックしましょう。それでも不安という方は消費者センターに連絡して相談することをおすすめします。
30秒250円と高額な通話料が発生する
ワンギリをして電話をかけ直してもらい、高額な通話料を請求する詐欺もあります。通常であれば海外に電話をかけた場合国にもよりますが、1分で100円くらいの料金が普通です。
しかし、ワンギリの詐欺はかけ直すと30秒で250円の高額通話料を請求されてしまいます。30秒250円であれば1分で500円にもなります。
ですので、海外からのワンギリがあってもかけ直さないようにしましょう。もしかけ直してもすぐに切りましょう。
実際に被害にあった人の声
- 知らない番号からかかってきたので出ると、中国語のアナウンスが流れた
- +からの電話番号がきて出ちゃったけど、自分の番号流出してる?
上記の声のようにここ最近では中国語の自動音声が流れるという声が多く上がっています。
ちなみに、過去には日本語の音声で「少々お待ちください。」と流れることもあり、怪しいとわからない方はそのまま通話を切らずに待ってしまうケースもあります。
そして、いつの間にか着信料で高額請求が来たというケースがあるので、日本語のアナウンスだからといって安心せずに身に覚えのない電話はすぐに切りましょう。
海外から電話がかかってきて詐欺に合わないための対処法
ここからは海外から電話がかかってきて詐欺に合わないための対処法について解説していきます。
海外の電話番号からの着信には出ない、折り返さない
スマホに+から始まる番号の着信があっても絶対に出ないようにしましょう。また、不在着信があった場合は折り返さないようにしてください。
一度詐欺グループと電話を繋げてしまうとカモリストに載ってしまい、今後も様々な国の電話番号からひっきりなしに詐欺電話がかかってくる可能性が高まります。
どこからの着信なのか調べる
海外の電話番号から不在着信があった場合はどこからの電話なのかネットで調査してみましょう。
例えば、海外に親戚や友人がいる場合、詐欺電話なのか知り合いからなのか判断がつきません。そうすると、海外の詐欺電話に出てしまう可能性があります。
間違いを起こさないためにも電話番号を検索して、どこの国からなのか判断することが重要です。
海外の電話番号を着信拒否する
海外から詐欺電話がかかってきた場合、すぐに着信拒否することをおすすめします。
AndroidとiPhoneで少し着信拒否の操作性が違うので分けて解説します。
Android
まず、電話アプリを開き「+」から始まる着信拒否したい番号のiをタップします。
次に下のメニューより︙⇒ブラックリストに追加の順番でタップすると着信拒否ができます。
ちなみに、ブラックリストを削除する場合は電話アプリを開き︙⇒設定⇒⚙の順番でタップします。
電話番号のブラックリストの項目をタップすると、今までブラックリストに入れた電話番号が表示されます。
削除したい場合は、電話番号を長押しタップした後、✔⇒ゴミ箱(削除)をタップすることで、ブラックリストの削除(解除)が行えます。
iPhone
まずは📞のアプリを開きます。着信拒否したい海外の電話番号の横にあるiをタップします。
次に一番下にスクロールしていき、この発信者を着信拒否をタップしましょう。連絡先を着信拒否をタップします。
これで、着信拒否設定の完了です。
ちなみに、iPhoneの設定から着信拒否の解除も行えます。
iPhoneの設定から電話⇒着信拒否設定と着信IDの順番でタップ。
次に、連絡先を着信拒否...をタップすれば、解除の設定が可能になります。
My docomoから着信拒否設定する方法
My docomoを利用して海外からかかってくる電話を拒否することも可能です。
まず、My docomoにアクセスしてから設定(メール等)をタップします。次に迷惑電話ストップサービスをタップします。
ネットワーク認証番号を入力後、認証するをタップしてください。
次に、設定メニューから番号を指定して登録をタップします。
海外からかかってきた電話番号を入力していき、確認するをタップしましょう。
イオンモバイルで着信拒否する方法
イオンモバイルで海外からかかってくる電話を着信拒否する方法については以下の記事を参考にしてください。
非通知の番号をスマホから拒否する方法
Android端末では非通知番号を拒否する設定が可能です。
まず、スマホの電話アプリを開き、︙⇒設定の順番でタップします。
右上にある⚙をタップした後、ブロックルールをタップしてください。
ブロックルールの設定項目に非通知着信をブロックをオンにすると非通知の番号を拒否することが可能になります。
非通知番号を拒否する
ここからは大手キャリアドコモ・au・ソフトバンクのサービスで非通知を拒否する方法について解説していきます。
ドコモ
引用:ドコモ
ドコモと通信サービスを契約している場合、無料で非通知拒否の設定を行えます。
非通知拒否の設定を行うには利用しているスマホから148に電話をかけます。その後、ガイダンスに従い1を押せば設定がオンになります。
ちなみに、非通知拒否の設定をオフにする場合は148に電話をかけ0を押すとオフになります。
au
引用:au
auと通信サービスを契約している場合、無料で非通知拒否の設定を行うことができます。
非通知拒否の設定をするには1481に電話をかけるだけです。これだけで非通知拒否の設定をオンにできます。
非通知拒否の設定をオフにしたい場合は再度1481に電話をかけるだけでオフになります。
Softbank
引用:Softbank
Softbankに契約している場合、非通知拒否の設定を行うことが可能です。ただし先ほど紹介したドコモやauのように無料ではなく、月に100円の料金が発生します。
申し込みするにはMySoftbankもしくはSoftbankショップで行う必要があります。
留守番電話を利用する
国際電話がかかってきた場合、すぐに電話に出るのではなく、一旦留守番電話になるまで待ってみるのも対処法として有効です。
留守番電話に伝言を入れてもらうことで、冷静に伝言を聞き判断することができます。
※ちなみにドコモ・au・Softbankではあらかじめ無料で留守番電話サービスを利用できますが、格安SIMの場合は留守番電話サービスがついていない可能性があるので、契約している電話会社に確認しましょう。
知らない番号から電話が来た場合に役立つアプリを利用する
知らない番号から電話が来た場合に役立つ無料アプリをいくつか紹介します。
このアプリは45億件以上の実績から迷惑電話を自動的に拒否するアプリです。
あらかじめアプリを入れて設定しておけば、+から始まる番号も拒否できます。
このアプリは10億件のデータから迷惑電話を判断して拒否してくれるアプリです。
有料のオプションを利用すれば、取引先からの大事な電話も逃しません。
ここで紹介したサービス以外にも、ドコモやau、Softbankなど契約している電話会社で迷惑電話などの対策をしてくれるアプリやサービスがあるので、そちらの利用もおすすめです。
実際に被害にあった場合はどうすればいい?
もし、実際に海外からの詐欺電話に出てしまった場合はすぐに切ることが大事です。
詐欺グループは通話料を取るために電話を長引かせるのが目的なので、その思惑にのらずすぐに電話を切ることが詐欺グループへの効果的な対処法です。
それでも一度電話に出てしまって不安という方は警察相談専用電話(#9110)に詐欺電話に出てしまったことを伝え、どうすればいいのか相談してみましょう。