新しい対話型AIのGoogleBardが、日本でも使える様になりました。
今回はGoogleBardの詳細やできることなど解説していきます。
GoogleBardが日本でも使える様に
ChatGPTをはじめとしてAIが大きく進化しています。Googleも対話型AIのGoogleBardをリリースしており、こちらも性能が良いと評判でした。
このGoogleBardは暫く日本で使うことができなかったのですが、4月19日に日本での利用が開始されました。
利用するためには利用待ちリストに登録する必要がありますが、現在は登録から数分で使える様になっています。
そのため日本でも利用者が急増しており、非常に注目度の高い対話型AIと言えるでしょう。
GoogleBardは現時点ではテスト公開の段階で、Googleアカウントさえあれば誰でも無料で使うことができます。
レスポンスが速く3つのプロンプトを同時に掲示
GoogleBardの大きな特徴は、質問を入力してからのレスポンスの速さです。
ChatGPTは特に無料版だと質問をしてからの返信が遅く、しかも読み込みのエラーや固まってしまう事も少なくありませんでした。
一方GoogleBardは入力してすぐに返答があり、エラー発生率も低くなっています。しかも一つの質問に対して3つの返答を同時に生成しており、こちらもすぐに確認することができます。
パラメータ数は5400億
対話型AIでは性能を表す指標として、パラメーターという数値がよく使われます。
これはモデルの学習実行後に獲得される値。これが多いほど正確な答えを導いたり、より多くの事を学んだりする事ができるイメージです。
ChatGPT-3はこのパラメーターが1750億で、ChatGPT-3.5は3550億個とされています。一方でGoogleBardは5400億とされており、その性能の高さが伺えます。
因みにChatGPT-4はそれ以上のパラメーターとされていますが、詳細は公開されていません。
日本語では使えない
無料で高性能なGoogleBardですが、現時点では英語にしか対応していません。まだテスト段階だからか、日本語で入力しても利用不可である旨が表示されるのみです。
まだ言語の切り替えにも対応していませんが、一応日本語しか得意でない方でも利用する方法はあります。下記の記事を参考にして見て下さい。
Google検索と連動
GoogleBardの一番の強みは、Google検索と連動している所です。
通常AIでは誰かが入力して学習させた事柄しか知りません。しかしGoogleBardはGoogle検索と連動しているため、そちらから情報を引っ張ってくる事が可能です。
情報が正確であるだけでなく、最新情報にもアクセスできる訳です。放送予定のドラマのスケジュールや人気の店の情報など、ネットで検索できるものなら、しっかり返答に組み込まれるようになっています。
GoogleBardの始め方
現時点でGoogleBardを始めるには、順番待ちリストに入る必要があります。今の所はだいたい数分で承認されます。
こちらにアクセスして順番待ちリストに参加をタップします。
規約が表示されるので、チェックボックスにチェックを入れて下さい。
もし翻訳のバナーが邪魔になっているのであれば、×を押して消してください。
右下に順番待ちリストに参加と表示されたらタップして下さい。
Got itをタップすれば、順番待ちリストに参加完了です。Googleアカウントに登録しているメアドに参加承認のメールが来るまで待って下さい。
メールが届いたら、Take It for spinをタップして下さい。
GoogleBardの使い方
ホーム画面下部の空欄に質問を入力し、送信アイコンをタップする事で回答を得られます。
GoogleBardの構造はシンプルで、一度答えが返って来たらそれに会話を続ける事はできません。
回答が適切でないと感じた時は、他のドラフトを見るをタップして下さい。
同時に3つの回答が行われているので、他の2つの内のどちらかをタップする事で回答を切り替えることができます。
会話に文言を足し直す事は可能
— appstory (@app_story22) April 20, 2023
GoogleBardはプロンプトを記憶できないので、不完全な回答を、会話を続けて完成させていくことはできません。
ただ質問をより詳しく入れ直す事は可能です。動画では右クリック禁止のコードを書いて貰った後、「HTML形式で」という文言を加えて、HTML形式に書き直して貰っています。
動画内の手順
- 「右クリック禁止のコードを書いて」と入力して質問を送信
- コードを確認するも思ったものではなかった
- 質問の横の鉛筆アイコンをタップ
- 「HTML形式で」という文言を加えて再送信
- コードがHTML形式に変更される
GoogleBardで出来る事
下記ではGoogleBardで出来る事を紹介していきます。
最新情報へのアクセスや先回りしての返答
GoogleBardでは、回答の際に最新の情報にアクセスし、情報の精度を高い物にしてくれます。
さらに質問に関連する情報を紐付け、質問の意図を先読みする様な回答も可能です。
たとえば「チェンソーマンのBDの売り上げを教えて」と質問したとします。すると、「最初の週に 1,735 部を販売」という回答が行われました。
さらにそこに「オリコン集計とは別にMAPPA 自身の Web サイトでも販売されており、販売数の減少につながった可能性」「他のアニメより売り上げが少なかったことが第2シーズンの可能性に影響するかどうかを判断するにはまだ時期尚早」という情報も付け加えられています。
これは「BDの売り上げが少ないと2期の製作が取り止めになるのではないか?」という議論がファンの間で行われているので、そこまでを含めた回答が行われたのだと見られます。
記事や文書の作成
GoogleBardはChatGPTと同じように、文章の作成が可能です。また記事を作るためのアイディア出しを手伝って貰ったり、記事その物を書いて貰う事も出来てしまいます。
上は猫についての記事を書いて貰ったものです。ぼんやりとしてテーマだったので、全体的に情報を入れている感じになっていますが、もっとテーマを絞れば掘り下げた内容になります。
Google検索と連携しているので、情報が具体的で精度が高いのが特徴です。
コードの作成
GoogleBardではコードの作成も可能です。書いて欲しいコードを、言葉で指示するだけなのでかなり手間が省けます。
ただしChatGPTと違って会話をしてコードの甘い部分を詰めていくことができません。制度自体は高いですが、複雑なものになると望む通りのものができるとは限らないので注意して下さい。
右クリック禁止のコードを頼むと、ものの数秒で画像の様に生成してくれます。また子コードの効果のほどやスクショは防げない注意点なども教えてくれます。
日経平均や株価を表にまとめて分析
日経平均や特定の有価証券の値動きを、一定期間分を表にして貰う事も出来ます。値動きの幅や軽い分析などもして貰えるので、軽く情報をチェックするには適しているでしょう。
一週間分の日経平均の変動を表にしてと頼むと、終値や上下幅など項目を分けて表にしてくれます。また該当する期間の値動きの分析も記載されています。
ただ現段階では吐き出された数字が、絶対に正しいとは言い切れないので、数字を一応確認するか、チェックできていなかった機関のチェック位にとどめておく事をおすすめします。
またスマホ版よりPC版の方が精度が高いので、そちらを利用した方がいいでしょう。
数学などの問題を教えて貰う
GoogleBardは数学や歴史など、勉強を教えて貰う事も可能です。
上記では「6<√n<7を満たす自然数nの数を求めよ」という問題を解いて貰っています。ただ全体的な考えはあっているのですが、<と≦を混同しているのか答えが誤っています。
基本的な時方は示してくれるので、それを参考に自分で解いてみるというスタンスで使うと良いでしょう。
AI画像生成に使える呪文の生成
GoogleBardでは画像や動画の生成といった機能はありません。ただしStable Diffusionで使えるコードの生成を行う事は可能です。
これによって間接的にGoogleBardに、描きたい画像を作ってもらうことができる訳です。
上記はStable Diffusionでアニメ風の女の子を描くコードを依頼した場合の回答です。そのまま使えないものであっても、参考の一つにする事は出来るでしょう。
ただしNovelAIなどのサービスは認識していなかったりするので、そう言ったものの呪文を生成して貰うのは難しいです。
Stable Diffusionにおける呪文についての詳細と呪文ルール、イメージに近いイラストを生成するコツなどを解説
論文や研究の参照
GoogleBardはGoogle検索と連携しているので、知識の幅がかなり広いです。しょうもない事を質問しても、学術的な論文や研究を元にして説明してくれたりもします。
これを利用してレポートの補強をしたり、自由研究のテーマを考えたりするのもいいでしょう。
上記では「猫は液体ですか?」という益体も無い質問をしています。しかし既にこの研究をしており、イグノーベル賞を受賞していました。
好意行ったことを要約して説明してくれるので、学びのきっかけになるでしょう。
GoogleBardは過去のプロンプトの記憶はできない
高性能なGoogleBardですが、今の所は過去のプロンプトの記憶ができません。
たとえばChatGPTでは数学の証明をして貰いたい時に、その回答が正確ではないことがあります。そうすると使用者はどこが間違っているので修正して欲しい旨をChatGPTに教えます。
そしてそうしたやり取りを何度も繰り返し、ChatGPTが数学の問題に正解できるように導いてあげる訳です。こうする事でChatGPTの回答の精度が上がり、次に質問をした時に正しい答えが返ってきやすくなります。
これはChatGPTが直前の会話を記憶しているため、同じテーマを連続して会話ができる訳です。
しかしGoogleBardは質問をすると、それに回答をしてやり取りが終了します。仮に数学の問題の回答が間違っていたとしても、それが間違っていると会話で指摘し、修正する事はできません。
1つの質問に対して1つの回答です。
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