Zoomにはブレイクアウトルームという機能があり、参加者を小部屋に分けることが可能です。
この記事では、ブレイクアウトルームの詳細と設定・利用方法について解説します。
Contents
Zoomにおけるブレイクアウトルームの詳細
Zoomのブレイクアウトルームとは、Zoomでミーティングに参加している参加者を小さな部屋に振り分ける機能のことです。
ブレイクアウトルームの作成は、ホストのみが利用でき、参加者はミーティングに参加し、ルームを割り振られることでブレイクアウトルームを利用できます。
ブレイクアウトルーム機能で出来ること
ブレイクアウトルーム機能で具体的に出来ることは下記の通り。
ブレイクアウトルームでは、最大50の小部屋と1部屋最大200人の参加者が参加できます。
つまり、最大10,000人をブレイクアウトルームに割り振ることが可能です。
ブレイクアウトルームの利用目的
ブレイクアウトルームが実際に利用されている目的は下記の通り。
- セミナー
- 研修
- 面接
- 説明会
- プレゼンテーション
ブレイクアウトルームでホスト/参加者がそれぞれ出来ること
Zoomのブレイクアウトルームでホストが出来ることは下記の通り。
主催者(ホスト)は、部屋を自由に移動できますが、参加者は他のグループに自由に移動できません。
参加者は、自由に部屋を移動できませんが、退出は自由にできます。
利用条件
Zoomのブレイクアウトルームが利用できる条件は下記の通り。
- Zoomアカウント(無料版/有料版両方)
- バージョン3.5.31149.1102以降が実行されている(PCアプリ版)
- リモートサポートがオフになっている
ブレイクアウトルームは実は、無料版有料版問わず利用できます。
ただし、無料版は機能が制限されているため、長時間セッションをしたい場合は、有料版にアップグレードする必要があるでしょう。
無料版Zoomは3人以上のミーティングとなると、40分の時間制限があります。
無料版ライセンスでブレイクアウトルームを使うとなると、ホスト1人だとして参加者は1人までしか無制限にはならず、実質ブレイクアウトルームを使うとなると、有料版ライセンスでないと時間無制限にはならないと考えて良いでしょう。
また、Zoom Roomsといったサービスでは、ブレイクアウトルームを使えません。
Zoomのブレイクアウトルームで便利な機能
Zoomのブレイクアウトルームで便利な機能は下記の通り。
- 全員宛にメッセージを送れる
- タイマー
- ヘルプ機能
- 主催者は各個別ルームに訪問できる
- ブレイクアウトルームが開いている時間を制限する
ブレイクアウトルーム内のチャットは、他の部屋の参加者からは見えません。
そのため、参加者全員に伝えたいときは、「全員宛のメッセージを送信」で全体チャットを送ることが可能です。
ヘルプ
参加者側の操作
参加者側の操作
「ヘルプ機能」ではトラブルが発生したときにホストに対してヘルプを求められます。
ヘルプを求めるときは、参加者側はヘルプを求めるを選択しヘルプを求めるをタップしてください。
ホスト側は「ブレイクアウトルーム〇名中の○○がサポートを求めました。」という表示があるので、ブレイクアウトルームに参加するをクリックすれば、ヘルプを求めてきた部屋に移動できます。
カウントダウンタイマー
カウントダウンタイマーを設定すると、ブレイクアウトルームを閉じたときにブレイクアウトルームが完全に閉じるまでの時間設定とそのカウントダウンがされるようになります。
カウントダウンタイマーを設定するには、オプションから「ブレイクアウトルームを閉じた後のカウントダウン」にチェックを入れ、時間を設定しましょう。
設定が終わったらすべてのルームを開始するを選択してください。
カウントダウンタイマーはルームを閉じることで表示されます。
スマホ版の表示
PC版の表示
スマホ版、PC版それぞれの表示です。
全体にメッセージ
ホストは全体にメッセージを送ることが可能です。
全員にメッセージをブロードキャストしますを選択すると、メッセージ欄が表示されるので、そこにメッセージを書きブロードキャストを押せば全体にメッセージが流れます。
ブレイクアウトルームを指定時間後に閉じる
ブレイクアウトルームの残り時間
オプションからは、指定時間経過後に自動的にブレイクアウトルームを閉じるよう設定できます。
まずオプションからブレイクアウトルームは〇分後に自動的に閉じられますにチェックを入れて部屋を作成することで設定できます。
このとき、時間切れ時に自分に通知しますにチェックを入れると、指定の時間が経過するとポップアップが表示され、ブレイクアウトルームを公開したまま維持することが可能です。
指定の時間が経過すると表示されるポップアップは上記の通り。
ここでブレイクアウトルームを公開したままにしますをクリックすれば、指定時間後もブレイクアウトルームが維持されます。
詳細から行えること(参加者)
詳細アイコンからは、下記の作業が可能です。
詳細から出来ること
- オーディオの切断
- チャット
- ホストの要求
- 手を挙げる
- ミーティング設定
Zoomでブレイクアウトルームを使えるようにする設定方法
Zoomでブレイクアウトルームを使えるようにする設定方法について解説します。
アカウントレベルで設定する
ホストとしてブレイクアウトルームを有効にするには、「Zoomウェブポータル」にログインし、「アカウント設定」を選択し、ミーティングタブのブレイクアウトルームを有効にすればOKです。
なお、このとき、鍵型アイコンをクリックしてロックすることで、すべてのユーザーにブレイクアウトルームの設定を必須にできます。
グループレベルで設定する
グループレベルでブレイクアウトルームの有効無効を設定したいときは、ユーザー管理からグループ管理を選択し、有効にしたいグループ名をクリックしグループ設定タブからブレイクアウトルームを有効にすればOKです。
エンドユーザーレベルで設定する
自身のアカウントレベルでブレイクアウトルームを無効・有効にできます。
ブレイクアウトルームを利用したいときは、有効にするようにしましょう。
詳しい設定方法に関しては下記の記事をご覧ください。
Zoomの会議は何人まで大丈夫?複数人で会議する方法について
Zoomにおけるブレイクアウトルームの使い方
Zoomにおけるブレイクアウトルームの使い方を解説します。
ブレイクアウトルームを作成する
ホストはミーティング時にブレイクアウトルームで参加者を割り振ってセッションできます。
ブレイクアウトルームの作成方法については下記の記事をご覧ください。
Zoomのルーム作成方法!状況別の使い分け方も紹介(スマホ・PC版)
グループの事前割り当てをする
ミーティングが始まる前に、参加者を各小部屋に割り振れます。
部屋を割り振るのは、ミーティング開始直前で設定可能です。
設定で割り振られるためには、設定からブレイクアウトルームを有効にし、「スケジューリング時にホストが参加者をブレイクアウトルームに割り当てることを許可する」にチェックを入れておく必要があります。
割り振りを許可するときは、この項目にチェックを入れ、保存をクリックしておきましょう。
事前に部屋を割り振る手順に関しては下記の記事をご覧ください。
Zoomの会議は何人まで大丈夫?複数人で会議する方法について
ブレイクアウトルームに参加する
自身がミーティング参加者のとき、ホストによってブレイクアウトルームに割り振られることで、これを使ったセッションに参加できます。
ブレイクアウトルームに参加するときの手順については下記の記事をご覧ください。
Zoomの会議は何人まで大丈夫?複数人で会議する方法について
ブレイクアウトルームを移動する
ホストは、自由にブレイクアウトルーム間を移動できます。
これにより、各ブレイクアウトルームの様子見や監視が可能です。
ブレイクアウトルーム間を移動するには、セッション表の参加をクリックすることで、その部屋に移動できます。
その部屋からメインルームに移動したいときは、「退出」から「はい」を選択しましょう。
ミーティング開始後ブレイクアウトルームの設定をする
ミーティング開始後にブレイクアウトルームを作成したり、設定を付けたりできます。
ブレイクアウトルームを押せば、ブレイクアウトルームの作成や割り振りなどが可能です。
また、各ブレイクアウトルームを作成し、参加者を割り振れます。
オプションからは、各種ブレイクアウトルームに便利なオプションを設定可能です。
画面共有する
ブレイクアウトルームでは、画面共有が可能です。
ブレイクアウトルームで画面共有するときは、画面共有を選択し下記の種類から画面共有できます。
画面共有の種類
- 自分の画面
- アプリケーション ウィンドウ
- Googleタブ
共有したいタブやウィンドウなどを選択し共有を押せばOKです。
ブレイクアウトルームから退出する
ブレイクアウトルームからは、いつでも退出できます。
また、退出時、メインセッションに戻るかミーティングから完全に離脱するか選ぶことが可能です。
ブレイクアウトルームから退出し、メインセッションに移動したいときは、ブレイクアウトセッションを退出を選択しメインセッションに戻るをクリックすればOKです。
ミーティングから完全に離脱したいときは、このときミーティングを退出を選んでください。
スマホアプリ版の退出方法は、まず退出ボタンをタップします。
ブレイクアウトルームを退出するをタップすればメインルームに移動可能です。
また、このときミーティングを退出するをタップすれば、ミーティングから完全に離脱します。
ブレイクアウトルームを再度作成する
ブレイクアウトルームを再作成できます。
再作成したいときは、再作成を選択し赤枠のボタンをクリックすればOKです。
Zoomのブレイクアウトルームに関しての疑問点
Zoomのブレイクアウトルームに関する疑問にお答えします。
各ブレイクアウトルームは監視できるのか?
ホストは、部屋を割り振っただけでは、各ブレイクアウトルームのチャット内容を見ることはできません。
ただし、ホストは各ブレイクアウトルームを自由に出入りできるため、各部屋に出入りして、滞在中のチャット内容を把握することは可能です。
無料版ライセンスだとホストは1人しか設定できませんが、有料版ライセンスであれば複数のホストを設置できます。
複数のホストを設置すれば、たくさんのブレイクアウトルームがあっても、手分けして見廻りやすいため、監視したいときは複数のホストを設置することをおすすめします。
共同ホストについてと設定手順については下記の記事をご覧ください。
無料版で利用可能だが、制限がある
無料版ライセンスであっても、ブレイクアウトルームは利用可能です。
ただし、次項で述べるように、無料版ライセンスには多くの制限があるため、ホストは有料版ライセンスを使うことをおすすめします。
ブレイクアウトルームにおけるホストと共同ホスト
ブレイクアウトルームの振り分けはホストのみが行えます。
共同ホストはホストによって割りあてられたブレイクアウトルームのみ出入り可能です。
それに対し、ホストは全てのブレイクアウトルームを移動できます。
つまり、ホストが全体的な監視をし、共同ホストでそれぞれ部屋を割り当てて監視可能です。
ブレイクアウトルーム数と参加者の最大人数
ブレイクアウトルームで作成できる部屋の数は上記の表の通り。
最大10,000人の参加者が参加できるため、ブレイクアウトルームの数によって、部屋に参加できる最大数が変化します。
ただし、最大容量に割り振るためには、大規模ミーティングのアドオンの導入が必要です。
無料版ライセンスと有料ライセンスのブレイクアウトルームの違い
無料版ライセンスと有料版ライセンスにおけるブレイクアウトルームの違いは下記の通り。
項目/ライセンス | 無料ライセンス | 有料ライセンス |
時間制限(3人以上) | 40分 | 無制限 |
参加人数 | 最大100人 | プランによる |
クラウドレコーディング | 不可 | 可 |
ローカルレコーディング | 可 | 可 |
ホストを複数設定 | 不可 | 可 |
他アプリとの連携 | 不可 | 可 |
ブレイクアウトルームは大勢の参加者をそれぞれのルームに割り振る機能であるため、この機能を使うときは、基本的にある程度以上の人数で行うミーティングであるという前提があります。
Zoomは3人以上のミーティングだと時間制限が発生し、一定以上の人数で使う前提の機能であるブレイクアウトルームでは、基本的に時間制限があると考えましょう。
ブレイクアウトルームは、面接やセミナー・研修などある程度時間がかかる目的に利用されることが多い機能なので、40分しか時間がないことは致命的と言えます。
また、参加人数が最大で100人までというのも、ブレイクアウトルームの利用に関して言えば不足があると言えるでしょう。
これは、基本的にブレイクアウトルームを使用するのは、大人数のセミナーや研修であることが多く、参加者が100人を超える可能性が高いからです。
そのため、ブレイクアウトルームを活用したいホストは、有料版ライセンスの利用をおすすめします。
ZOOMは本当に無料なの?無料でどこまで使えるの?有料と無料の違いに関して解説!
ローカル記録とクラウド記録
Zoomでは、クラウド記録とローカル記録2つの記録方法があります。
クラウド記録では、クラウド上に録画したデータを残せ、ローカル記録では自身のデバイス上にデータを残すことが可能です。
クラウド記録のメリット
- クラウド上に残せるのでデバイスの容量を圧迫しない
- 大容量なので容量を気にせず記録を残せる
- 安心のセキュリティ
- 参加者に共有しやすい
- デバイスにインストールもできる
ローカル記録のメリット・デメリット
- デバイスに残しておける
- デバイスの容量を圧迫する
Zoom無料版ライセンスでは、クラウド記録(クラウドレコーディング)機能がないため、ローカルに記録するしかありません。
特にビデオ会議は音声や動画が含まれ、録画時間が長いことから、ファイル容量が大きくなる傾向にあるため、頻繁にブレイクアウトルームで記録を取っていると、デバイスの容量を圧迫する可能性が高いです。
ZOOMのクラウド記録とローカル記録の保存先はどこ?詳細と注意点を解説!
ただし、ブレイクアウトルームのミーティングをクラウド記録するとき、ミーティングのホストがいる場所に関係なくメインルームのみ記録されます。
それに対し、ローカル記録が利用されているときは、記録している参加者がいる部屋が記録されます。
こうした理由から、ブレイクアウトルームにおいてクラウド記録はそれほど有用ではなく、ローカル記録の方が活躍すると言えるでしょう。
ただし、これは参加者がクラウド記録を録るかローカル記録を録るかのときに重要な点です。
ホストは、ローカル記録でもクラウド記録でも、メインルームから撮影すれば、メインルームのみの録画となるからです。
時間制限のことや有料アカウントは両方の記録を使えることを考えても、ホストは有料版ライセンスがおすすめであることは変わりません。
ブレイクアウトルームに参加出来ないときの原因と対処法
ブレイクアウトルームに参加出来ないときの原因と対処法は下記の通り。
原因 | 対処法 |
ブレイクアウトルームがオフになっている | ブレイクアウトルームをオンにする |
Zoom Roomsを使っている | 対応していない |
H.323/SIPデバイスを使っている | ブレイクアウトルームには参加できるが管理はできない |
バージョンが古い | アップデートする |
インターネット環境が悪い | インターネット環境を整える |
ブレイクアウトルームの設定がオフになっているときは、【Zoomでブレイクアウトルームを使えるようにする設定方法】を参照して設定するようにしましょう。
Zoom Roomsと呼ばれるミーティング会議システムを利用していると、ブレイクアウトルームは利用できません。
こうしたシステムを使っているときは、PCやスマホでもZoomを利用するという対処法があります。
また、デバイスの問題であるなら、対応しているパソコンやスマホにZoomをインストールして利用すれば解決するでしょう。
ブレイクアウトルームはOSやブラウザのバージョンが古いと使うことができません。
そのため、上記のスペックより古いときは、バージョンアップしましょう。
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